ドイツの光と風が流れる映画

「善き人のためのソナタ(Das Leben der Anderen)」というドイツ映画を紹介します。

ベルリンの壁が崩壊する前の東ドイツで、共産党の大学講師が、

ある女優の姿に惹かれ、国家の名の下に彼女とその彼氏である劇作家の部屋を盗聴することになります。

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共産国家の監視社会、権力の腐敗、言論統制、悲しみの中にあって必死に自由を求め生きる2人の姿。

主人公は盗聴をしていくうちに、彼ら2人に同情を抱きます。そして彼の世界を見る目は変容し、本来持っていた優しさがあふれ出します。

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愛し合う恋人同士でさえ絆が断ち切れる厳しい状況の中で、自分の愛と信念と行動を貫いた彼は身分を失います。

その後、淡々と人生を送る主人公は、周りから見れば、人生の落伍者に見えるかもしれません。

しかし人生の美しさや成功とは、仕事で成功してお金持ちになったり、幸せで暖かな家族を持つことだけではないと、主人公の孤独な背中は教えてくれます。

映画の中で劇作家が弾く「善き人のためのソナタ」は、先日紹介したイングリッシュペイシェントの音楽を担当した、ガブリエル・ヤレドが作曲しているそうですね。

2007年アカデミー外国語映画賞を受賞したモノトーンが光る大人の作品。おすすめの一作です。

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